既存マンションでダクトレス熱交換換気システムを後付け設置その①|国産換気メーカー「エアラボ」のブログ

こんにちは。エアラボの臼井達彦です。

 

今日は、都内のマンションにお住まいのO様より、

自宅の給気口にpassiv Fan(パッシブファン)を

付けれないか?という相談を受け、現場調査を行って参りました。

 

passiv Fan(パッシブファン)をマンションに後付というのはレアですが、

三種換気から熱交換一種換気にしたい!という要望は意外と多く、

既存給気口を使っての換気リフォームというのは、

弊社では年間数十件の依頼があります。

 

ご相談を頂いたO様は建築関係のお仕事をされている事もあり、

室内の空気環境はいつも気になる方で、

普段からマメに換気をされる方でした。

 

しかし、この時期に換気すると「寒くなる!」と家族からブーイングがあり、

熱交換換気システムの導入を検討されはじめたとのことです。

 

マンションの既存給気口を使うという事で、

施工面からまずダクト式の熱交換換気は諦めなければなりません。

そこで、O様はいろいろ調べられ、ダクトレス式の熱交換換気を開発している弊社にご相談を頂くようになりました。

O様の「マンションの給気口にリフォームで使いたいけれどφ100用はあるか?」という質問からはじまりました。

 

step1.現場状況を調査~給気口を調べる~

現場は都内の駅近く、築2~3年の立派な高層マンションの一室です。

 

間取り3LDKの約80㎡

北側に2部屋、南側にリビング+1部屋、

キッチン、トイレ、洗面、浴室が中央に集まる一般的3LDK の間取りです。

 

給気口は、

3つの個室にφ100の給気口が1つずつ(計3つ)と、

リビングにはφ150の給気口が2つ上下に並んで設置されていました。

 

【リビング】(上)24時間換気用の「自然給気口」 (下)レンジフードを使った時に負圧防止のために開く「差圧式給気口」が上下に並んでいました。最近のマンションとしては一般的なつくりようです。

【寝室】エアコンスリーブの下にφ100給気口

屋外フードは今回交換しませんが、車通りや立体駐車場が隣接している為汚れがひどいそうでホームセンターで買ったフィルターをお客様の方で貼って使用しているようです。

 

計5つの給気口がありましたが、

差圧式給気口は設置せず、

φ150、φ100の4箇所に設置する計画となりました。

 

step2.現場状況を調査~配線ルートを調べる~

給気口の数量やざっくりとサイズを調査したら、

次に配線を通せる箇所を探していきます。

 

passiv Fan(パッシブファン)は、

集中コントローラーで制御されていますので、

1つの集中コントローラーから各換気ユニットへ

専用ケーブルで配線を行っていく必要があります。

 

また今回は現場は、

床や壁を壊してやるような大がかりなリフォームではなく、

ただ単純に換気だけを変える工事ですので、

天井裏や間仕切りにうまく配線を隠蔽していくには、

電気工事屋さんとよく確認する必要があります。

 

天井裏から配線がまわせれば一番簡単です。

そのためにはまず、ユニットバスの天井についている蓋をはずします。

そして、天井裏を確認すると、

天井裏には高さ600ミリ程度の空間があり、

部屋ごとの囲いがありませんでした。(ホッ)

どうやら天井裏から配線がまわせそうです。

 

集中コントローラーの位置を決めます。

ノックして下地の位置をチェックしながら、

集中コントローラーの位置や配線がまわせそうか確認します。

インターホンや床暖房のコントローラー近くであれば大体は大丈夫ですね。

 

次に集中コントローラーに入力する100Vを得る為、

ブレーカーを確認します。

 

しかし、残念ながらブレーカーから

配電できそうな回路はありませんでしたので、

今回は専用回路ではなく、コントローラーを設置する場所の近くのコンセントからの分岐で電源を得ることになりそうです。

 

ということで、

一番の心配事であった電気の問題も解決できそうです!

 

step.3現場状況を調査~給気スリーブ管のサイズ(内径・奥行き)を調べる~

step1とstep2で、

どこにどのように配線すればいいかを確認しました。

そうしたら次は給気カバーを取り外せるところまで取り外して、

スリーブ管がどの規格かを特定していきます。

 

マンションの給気口としてよく使われるスリーブ管は

塩化ビニルのVU管、VP管はどちらかが使われている事が多いです。

 

このような情報は設計図書にも書いてあるのですが、

「外してみないとわからない」というのが現場という事で、

実際に調べていきます。

 

外せるところまで外していきます。

 

おっと!

スリーブ管の中に何やら半月状の

整流板があるではありませんか・・・!

 

室内壁から整流板までの奥行きは約150mm

蓄熱エレメントが収まらない寸法ですので、

こちらの整流板は取り去る方向で考えます。

 

整流板や給気カバーも接着剤ガチガチなので、

撤去の際は、はつり作業が大変そうです。(汗)

 

そして、内径を計れるところでノギスを当てたら、

φ100の方が、105mm、φ150の方が152mmということで、

 

VU管:(呼び径φ100の内径)107mm±1.6mm (呼び径φ150の内径)154mm±1.6mm

VP管:(呼び径φ100の内径)100mm±1.6mm (呼び径φ150の内径)146mm±1.6mm

 

VU管の規格であることがわかりました。

 

※φ100~150のスリーブを計るのに適した内径測定器をお知りの方は

是非、勇気を出して弊社までご連絡いただければ幸いです。

 

step4.現場状況をまとめて発注・商品製作

既存給気口の「内径」「奥行き」を測定したら、正式見積・発注となります。

発注いただいてから商品製作が完了するまでには1週間頂いております。

(屋外フードの変更を伴う場合には2週間頂いております。)

現場調査には、お客様お立合いの上、30分~1時間くらいのお時間を頂いております。

 

ご依頼方法は、以下のお問い合わせフォームから平面図を送ってください。

エアラボ|「マンション換気リフォーム」に関するお問い合わせはこちらよりお申し込みください

 

※注意 マンションの築年数や構造によっては実際に取りつけられない場合や

給気口が各部屋にない場合もございますので、予め給気口の位置がわかる図面を現場調査前に送っていただく必要がございます。

※建築構造や地域によっては現場調査をお断りさせていただく事もございますので予めご了承くださいませ。

 

 

また、今回はお客様が花粉症ということで、

メガフィルター付きをご希望いただきました。

花粉やPM2.5、排気ガスの煤煙まで捕集する空気清浄機能に加え、

温度効率を高めるという、空気質を改善する換気リフォームとなりそうです。

 

完成が楽しみですね ♪♪

 

 

エアラボ 臼井達彦

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