【コラム】高い気密性能を実現するために①

計画換気はなんといっても気密が大事!

2、3回に分けて「高い気密性能を実現するために」を記事にしていきたいと思います。

 

計画換気で必要な気密性能値

計画換気を考え、住宅の気密性能は第三種換気でC値1.0以下、

第一種の熱交換換気システムを使用するならばC値0.5以下を目指したいところです。

 

第三種換気では、換気扇を回すと室内の空気が外に出ます。

外に出てしまった空気を給気口から取り入れ補う換気方式です。

 

気密性能の高い住宅では、

給気口から空気が中に入って、換気扇の回る排気口から外に出るという理想の換気を行うことができます。

 

しかし、気密性が低いと給気口からではなく、

窓や、窓の周囲等の気密がとりにくい箇所から空気が入ってくるので、

「窓を閉じていても冷たい隙間風が入ってくる」なんて事になってしまいます。

この24時間換気扇の他に、キッチンの換気扇を回していたら、隙間風がさらに加速します。

それもそのはず、24時間換気扇で出し入れする空気の量は、一般戸建て住宅で120[㎥/h] (毎時立法メートル)ですが、

キッチンから出る空気の量は、400~600[㎥/h] (毎時立法メートル)ですので、3~4倍の空気量になります。

給気口や窓から入る空気は2~4倍に加速され、その風速を体感するとかなり不快です。

これは厄介者です。

対策は、同時給排気型のレンジフードにするか、

レンジフードの近くに、ONしたら自動で開く専用の給気口があるといいです。

しかし、気密性能が低い住宅の場合はレンジフードの近くから空気を入れようとしますので、

例えば排水管が貫通する箇所から床下の空気が室内に上がってきたりします。

床下は室内より湿度が高い場合が多いので、かび臭さがキッチンの周囲に漂うことにもつながり嫌な思いをすることもあります。

 

断熱も大事ですけど気密も十分に気を付けなければなりません。

 

 

その分、第一種換気は換気扇で外気を中に取り入れ(給気し)て、

換気扇で汚れた空気を外に出し(排気)しますので、

第三種換気のように給気口以外のところから空気が入りずらいのがメリットです。

 

ですが、気密性能が低いとレンジフードや浴室が換気されている状態では、

上述と同じようなことが起こり得ますので、油断は禁物です。

 

せっかく熱交換するのであれば、

換気口以外から空気が入ってくる状態では本末転倒の話になってしまうため、

C値で0.5くらいが目安になります。

 

国で定めている気密の基準は高いのか?

気密性能C値は国の基準でいうと、

北海道は2.0、本州は5.0という基準が設定されています。

5.0と数字は、隙間からの漏気による換気回数は機械換気と同等であり、

結果として換気システム2台分の熱損失をしている事になります。

まるで、穴の開いた風船を頑張ってふくらまし続けているような状態です。

 

 

 

一方0.5とはどのくらいかというと、

住宅中の隙間を全部集めてもはがき1枚分くらいの穴にしかなりませんので、

隙間を最小限にとどめ、計画換気を行うことが可能です。

 

気密は主に施工の問題です。

配管と外壁の穴をしっかりと埋めたり、

断熱材と柱の継ぎ目を気密テープで隙間なく貼り付けていったり、

窓周りを膨張テープなどで覆い、ラフ開口との隙間を隙間なく埋めたり、

気密シートもタッカー止めでなく、ブチル系やアクリル系などの気密テープで止めます。

コンセントボックス回りも気密ボックスというのがあるので、それを使用します。

 

こうした気密を意識した工事を行うことにより高い気密性能を実現することが出来ます。

 

気密性能は上述のテープやシート等の気密部材の劣化や木材の伸縮により、

時間がたつと新築時に比べて隙間が増えるといった傾向があると良く言われます。

 

紫外線劣化しない材料だとか、木材の伸縮に追従するテープだとか、

部材の確かな選定できる知識も必要になります。

 

真のエコハウスは気密を妥協しない

西方先生著の「西方里見が選んだこの建材・設備がスゴい (エクスナレッジ社)」には、

高断熱高気密住宅の先駆者である西方先生があらゆる世界の材料を見て回り、

本当の意味でのエコハウス(長寿命かつ健康的な真のエコハウス)を実現するために厳選された材料がテンコ盛りですので

プロのビルダー様だけでなく、

どういった素材を使った良いか、材料の選定にお困りの方にもおススメです。

 

30年経ってすぐにスクラップしてしまうような住宅はとても不経済ですね。

ヨーロッパの家は100年もつ家をつくることで、孫の代まで受け継がれます。

30年経ってスクラップする住宅は資産価値がないものとして新築してはいけないことになっています。

(もしくは税金がものすごい高く課されます。)

ロケットでも新幹線でも自動車でもスマホでも日本の技術はもの凄く水準が高いのに、

どうして住宅産業だけが水準が低いのか疑問でなりません。

 

100年経っても資産として価値のある家が増えていけば、

ライフスタイルも変わると、そんな気がしています。

 

長くなってしまいましたが、

総じて気密は皆さんの健康や住宅のエネルギー効率、資産価値として残るかどうか

健康、経済にかかわるとっても大事なテーマであります。

次の記事では西方先生のご著書にも登場する気密部材をご紹介していきたいと思います。

 

エアラボ ウスイタツヒコ

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