こんにちは。エアラボの臼井です。
■レンジフードが稼働する時には負圧になりませんか?
第三種換気の場合でも、第一種換気やダクト式の場合でも、passiv Fanにかぎらず負圧になります。
一般的な大きさ(120m2)の戸建て住宅では、必要な換気量はおおよそ150m3/hとなります。
一方レンジフードは400~600m3/hくらいでちょうど3~4倍の空気を排気していることになります。
レンジフードの作動時は、自然給気口からも大量の冷気が入ってきます。もちろんそこら中の隙間からも冷気が入ってきます。自然給気口はリビングやダイニングの外壁側に設置することが多いので、居住者のいる場所をまともに通過します。気流感が不快なのはもちろんのこと、冷たく比重が重い冷気で足元が特に冷やされます。そうすると不快なので、エアコンの設定温度を上げるか(上げてもほとんど効かないのですが)、こたつや電気ストーブ、ホットカーペットといった極めて効率の悪い採暖器具に頼らなければ我慢できないレベルになってしまいます。
もちろん、こうした悪影響は冬に限ったことではありません。夏の冷房時も同じです。冷房時は、暑く湿った外気がどんどん入ってくるということになります。
問題はそれだけではありません。熱環境的に見て気密性能が「並」の住宅においても、レンジフードが作動していると玄関ドアを開けにくいという弊害が起こります。最近の玄関ドアは非常に大きく、幅90cm×高さ2.3m程度の製品がほとんどです。小さな子どもが帰宅してドアを開けようとする時間帯が、ちょうど調理をしている時間帯と重なります。
■同時給排気型が理想
ではどうすれば良いのか。一般的には2つの方法が考えられます。ひとつは、レンジフードに連動して気密ダンパーが作動する専用の給気口をレンジフードの近くに設ける方法です。
最近はあまり見かけませんが、かつての住宅はこのタイプが多かったようです。ただ、難しい点もあります。給気口の位置があまり火に近いと、ガスコンロの使用時に炎が揺れます。調理者が給気口とレンジフードの間に立つと、調理者はかなりの寒さを感じてしまいます。
ということで、同時給排気型のレンジフードを使うのが理想です。一般的なレンジフードの場合、排気用の直径150mmのダクトしかついていませんが、同時給排気型は給気用にも同じ径のダクトがついています。同時給排気型のレンジフードを使っても熱量としては同じ量が逃げてしまいますが、大半は調理の熱で相殺することができます。少なくともリビングやダイニングの足元を冷気が強烈な勢いで通ることはほとんどなくなります。