家のなかは密閉されていて、
家具や生活用品からVOC※が発生し、
空気は次第に汚れ続けます。
適正な換気量を確保しなければ、
「汚れた空気を人間が食べている」という状態になります。
まずは清浄な空気を保つために必要最低限の換気量を知ることで
住まいの省エネを考えてみたいと思います。
※揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)
0.5/hは適当か???
換気計算の際、換気回数を毎時0.5回で計算しています。
必要な換気量として建築基準法で定められているからです。
東京大学・前真之先生に先日ちょこっとご挨拶した際に、
こんなことをお話ししました。↓↓↓
「これからは換気の研究をしようと思う。
換気回数0.3回/hはちょっと多いんじゃないか?
もうF☆☆☆☆建材が
換気を多く回しすぎちゃって寒くなるのだから、
寒くならない程度に換気をするには0.5回/hを変えるべきなんじゃないか。」
新住協の鎌田先生も0.5回/hは
居住者数、代謝の少ない高齢世帯で冬期過乾燥を引き起こす可能性があると指摘しており、
換気回数の見直しについては、学者間でも議論されているようです。
すっかり必要な換気量の目安として0.5回/hは浸透していますが、
では、なぜ0.5回/hなのでしょうか?
0.5回/hの理由
必要な量の前に、まずは、きれいな空気の定義づけが必要ですよね。
実は空気中に含まれる炭酸ガス(CO2)濃度が指標になっています。
人は酸素を吸ってCO2 を吐き出すのです、
人がいればCO2濃度は高まり、同時に人体から埃(粉塵)やニオイ(アンモニア)が出てきます。
そこで、CO2 濃度を取り上げて空気の清浄度を評価するに至りました。
まず室内の空気中のCO2が1000ppmを上回らなければ空気は新鮮で清浄だと考えることにしました。
外気のCO2濃度は350ppm(今では400ppmに近づき、東京の都心部では450ppm以上となっているという報告もあります。)ですから、
室内のCO2濃度を1000ppm以下に抑制するために必要な換気量は、起居(生活)時では一人当たり30㎥/h以上、就寝時は20㎥/h以上となります。
計算根拠は以下の通りです。
炭酸ガスの許容濃度=1000ppm=0.001リットル
・新鮮空気の炭酸ガス濃度=350ppm=0.00035リットル
・就寝時の一人当たりの炭酸ガス排出量=13リットル/h・人
・生活時の一人当たりの炭酸ガス排出量=20リットル/h・人
必要換気量=炭酸ガス発生量÷許容濃度
・就寝時の必要換気量=0.013÷(0.001-0.00035)=20㎥/h
・起居(生活)時の必要換気量=0.020÷(0.001-0.00035)=30.8≒30㎥/h
ということになります。
※引用:次世代省エネルギー基準に基づく「住あくの設計・施工ガイドブック」IBEC発行
0.5回/hは無駄???
一人当たり30㎥/h以上ということは、4人家族なら、120㎥/h以上になりますが、
換気計画では換気回数0.5回/hで全体の換気量を設定します。
40坪の家だと158㎥/h※ですから、4人家族だと3割ほど余分な換気量となります。
2人で住めば更に余分になります。
出かければ換気行為は無駄という事にもなります。
それでも家具や生活用品から出る化学物質やニオイを除去するためには、
換気は常時行うことが原則とされています。
※40坪×3.3㎡×2.4m(天井高さ)×0.5回/h=158㎥/
風量調整できる24時間換気設備
対して換気量が可変できるような24時間換気設備することで、
ライフスタイルや居住人数に応じて換気回数も柔軟に変化させることが出来ます。
passiv Fanでは換気量が5段階変化させることが出来ます。
普段の生活では2段階目(弱)で使用し、
人が集まるパーティだったり、焼肉などをする場合だったり、
時には鍋?という時には換気量を5段階目(フル)で使うことで
必要な時に換気量をプラスするという感覚でご使用いただくことで、
余分な換気を行う無駄も削減できます。
見落としがちな換気の省エネですが、
風量調節機能や、不在時に止めておける節電機器などを選定し、
賢く省エネ!しましょう!!
エアラボ ウスイタツヒコ
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