全館暖房と局所暖房の違い どちらがおススメ??
全館暖房とは、1つの暖房機ですべての部屋を暖房してしまう方式で、
局所暖房とは、部屋それぞれに暖房機を設置して暖房する方式です。
全館暖房は
リビング・ダイニング・ベッドルームだけではなく、
寒くなりがちな廊下やトイレ、洗面室などとも温度差がとても少ない理想の暖房方式です。
局所暖房は、
暖房機を部屋ごとに分散させる方式で、
それぞれの部屋で設定温度を変えられるなどの柔軟性にたけていますが、
廊下や洗面脱衣室など、暖房機を使っている空間以外は寒くなりがちです。
気になるのは暖房コスト
局所暖房に比べると、全館暖房の方が暖房する空間が広い分容量の大きな機器を要します。
全館暖房の方がそのためランニングコストが高くなりがちだと考えられ、局所暖房が日本の主流になっています。
暖房=「贅沢」、「もったいない」、「お金がかかる」意識の高い日本人にはあまり受け入れられていないのが現状です。
海外では圧倒的に全館暖房が主流です。
日本とヨーロッパの住宅消費エネルギーの内訳では、
日本は3割
ヨーロッパは6割
というデータが文献でよく紹介されています。
しかし、
お風呂で着替えるときに洗面脱衣室が寒いのは嫌ですよね・・・
安ければ全館暖房を採用したいと思う方は多いのではないでしょうか??
全館暖房設置のための条件
局所暖房は部屋1つが断熱され暖房されれば事足りますが、
全館暖房の場合には家中がしっかりと断熱されていなければ全く意味がありません。
断熱レベルは最低でもHEAT20のG2レベル以上の断熱性能が必要だと考えられます。
そして何より、断熱とそれに見合う設備の容量と配管計画を決めるために設計者の経験と知識も必要です。
オーバースペックの設備を選べば効率の悪いところで運転させなければならなくなりますし、
ダクトや、吹き出し口が変なところにあると使いずらい家になってしまいますし、
採用の際は必ず専門知識を持った方に確認し、設備と建物の両方を提案してもらい、
自分の希望する生活スタイルと照らし合わせてみましょう。
全館暖房はそれほど高いのか?
今や全館暖房や局所暖房でもエアコンが主流です。
エアコンは、ヒートポンプと呼ばれ、
外の空気の熱を室内に取り入れる機器です。
メリットは、
①冷房も暖房も1台で行えること
②他の機器に比べ圧倒的に効率が良いこと=ランニングコストが低い
③室内の空気を暖め、冷やすことに長けていること
④空気を汚さないこと
です。
電気やガス等で行う床暖房やファンヒーター、ストーブなどは、
1のエネルギーを与えても最大で1の熱しか取り出せませんが、
同じ電気で行うヒートポンプのエアコンは、
1のエネルギーで平均3~4の熱を取り出せるという効率の高い機器なのです。
ヒートポンプの欠点は、
外気が極端に下がると効率が低下すること、
立ち上がりに多くのエネルギーを要すること、
があげられます。
容量・仕様を誤ればせっかくの高効率も無駄に終わるケースがありますが、
「建物の仕様に見合う容量を選び」、
かつ
「無駄のないような計画」
を行えさえすれば全館暖房の方が局所暖房よりも安くつくケースがあります。
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