こんにちは。エアラボの臼井です。
今日は換気システムの基本性能のひとつである、
P-Q曲線を紹介します。
《P-Qってなに?》
風量 Q(㎥/h):ファンで移動させる空気量。単位(毎時立法メートル)
静圧(せいあつ) P(Pa) :圧損に対抗して空気を押しきる力。単位(パスカル)
風船に空気を入れる時に、肺活量の多い人ほど大きく、早く風船が膨らみますよね。
静圧が高いという事は、このようなイメージです。
吹き込んだ空気の圧が、風船の壁を押し広げているのです。
P-Q曲線(ピー・キューきょくせん)とは、
「静圧・風量特性曲線」と言い、
縦軸に静圧P、
横軸に風量Qをとってグラフ化したものです。
このようなカーブを描くグラフです。
このグラフは、空気の流れやすさと風量の関係を示しています。
例えば、径の小さな細いφ100のダクトと、
その2倍以上の断面積があるφ150のダクトとでは、
空気の流れやすさが違うのは容易にイメージできると思います。
ダクトは更に、
空気を搬送している最中に、
ダクト内で表面摩擦が起きたり、
ダクトが曲がったりによって
風量のロスが起きます。
ダクトが細ければ細いほど、長ければ長いだけ、摩擦が大きくなり、
曲がったり、分岐したりの回数が多いと、それだけ風量が目減りしてしまいます。
《圧損・有効換気量》
このような空気抵抗によって、
風量が目減りしてしまうことを
圧力損失(圧損「あっそん」)と言ったります。
圧損に抵抗するのが、静圧です。
空気を搬送する設備が、
トイレのパイプファンのような静圧の低いファンでは、
ダクトの中を伝って排気するだけの十分な力がないため、
静圧の高いダクト用の換気扇に設計変更する等、
空気の経路や、圧損を鑑みて適切な静圧を持つ換気ファンを選定する必要があります。
この時に役立つのが、P-Q曲線図です。
風量ロス側(ダクトやフード側)は、
右肩上がりの曲線を描き、
一方、ファン側(静圧を生み出す側)は、
左下がりの曲線を描きます。
この右肩あがりのグラフと
左下がりのグラフを重ねあわせると、
実際に風量がどのくらい出るのか?を推測することが出来ます。
ダクト、ルーバー、フードなどの抵抗が大きく(=静圧が高く)なると、ロス側の曲線の勾配がきつくなり、換気量はどんどん少なくなっていきます。
この全圧損を加味して目減りした換気風量の事を「有効換気量」と言います。
《毎回値が変わるダクト式と、毎回同じダクトレス式(交互給排型)》
換気システムのカタログには「0Pa時の風量」を風量として掲載されていますが、
建築基準法上では、「有効換気量」を採用しますので、
圧損の計算や、有効換気量の細かな計算は、
特にダクト式換気システムにはマストな作業です。
確かな情報を集め、
確かな計算を行わなければ、
うまく空気が入れ替わらない環境となってしまいます。
交互給排型熱交換換気システムpassiv Fanは、
屋外フードやスリーブ管、蓄熱エレメント等すべてのパーツを含めた有効換気量をカタログ値としているので、
特に複雑な計算を行わなくても、
建物容積だけを把握していれば、
有効風量(=必要台数)の計算で苦労する事はありません。
この点も交互給排型熱交換換気システムが
はじめての熱交換換気として、
選択、推奨しやすい理由のひとつだと思います。
《まとめ》
ダクト式は、ダクト(種類、長さ、曲がり)、屋外フード等が現場によって変わる為、現場ごとに性能が変わる。
交互給排型熱交換換気システム(ダクトレス式)は、屋外フードなどがオールインワン構造となっているため、計算手間が省け、現場が変わっても同じ性能を出しやすい。
エアラボ 臼井
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