エアラボの臼井です。
防虫網とは、外部から室内への害虫の侵入を防ぐもので、
換気装置には欠かせない基本的なパーツの1つです。
種類は、大きく分けて
換気扇本体に付属しているものと、
ベントキャップに付属しているものがあります。
しかし、屋外フードの防虫網には、
①汚れやすい
②容易にメンテナンスが行えない
といった弱点があります。
換気扇は住宅の中で最も汚れやすい設備ですので、
長期間お手入れをせずにいると、
大量の埃、虫の死骸が防虫網にびっしりくっついてしまい、
外気を給気できなくなってします。
防虫機能と換気の機能を維持するためにも
防虫網の適切な掃除は欠かせません。
passiv Fanの防虫網は室内側にかけられたフィルターで行います。
1年程前に、passiv Fanを設置された施主様・K様は、
「虫の死骸すら見るのも嫌」という程に虫嫌いという方でした。
当初、定期的にフィルターを洗うことを説明したのですが、
出来る限り外側で防虫したいので、
屋外フードの防虫網も設置したいという強い要望をいただきました。
しかし、屋外フードの防虫網は、
一度付けてしまったらもう外から掃除する事しかできないのですが、
換気扇は高所に設置されるため、
K様がメンテナンスの為に、
ハシゴを昇って掃除するなんてことは
とても現実的ではなく、おすすめする事ができませんでした。
そこで、
passiv Fan において、
室内側からメンテナンスを行える構造で、
換気効率を下げずに防虫を行う方法を検討することにしました。
写真の通り、蓄熱エレメントの裏側に
(左)防虫フィルターなし、
(右)防虫フィルターありの試験体を用意しました。
次に、スリーブ管に屋外フード、換気ファンを装着した状態で、
蓄熱エレメントを取り替えて風量測定器を使って風量測定を行い、風量の変化を調査しました。
こちらが結果です。
フィルターの有り無しでも風量は
ほぼ変わらない事を確認しました。
防虫フィルターありの状態でも風量に変化がないことが確認できた。
また、風量レベル5の時に排気でフィルターがめくれ上がらないことを確認し、
ファンの運転方向によらずに
虫の入る隙間が生じない事が確認できました。
しかし、フィルターが新品の状態での結果ですので、
フィルターが汚れてくると換気効率が悪くなってしまいますので、
お引き渡しの時には、
ファンの前に手をかざして、
気流感が悪くなったと感じたら、
蓄熱エレメントを引き抜いて、
フィルターの掃除を行うように説明させていただきました。
その後、そのK様より、
「恐る恐る外側のフィルターに手を伸ばしてみましたが、コバエと思われる虫が1匹だけ。
前の住まいでは換気扇のメンテナンスなんて一度もしたことがなかったけれど、
フィルターの掃除をするようになってホコリがすごくてびっくりしてしまいました。
結構汚れてるので、ダクト式や網付きフードじゃどうしようもできなかったかも。」
と、住まいの前は虫を気にされていましたが、
住まれた後の体験談として虫以外の換気の汚れの方が
問題だったと感想をいただきました。
K様は3か月に一度は定期的にメンテナンスいただけているようです。
エアラボ 臼井達彦
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